ろりすか文学館・作品インデックス |
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ファナの憂鬱「あぅ…どうしよう…」 今年最大級とも言われる寒波の吹き込む肌寒い朝、 ファナはひとり呟いた。 「こんな年になってこんな…」 目の前のシーツには巨大なシミが広がり、 ファナ自身のパジャマもまた、ぐっしょりと濡れぼそっていた。 昨夜は冬休みの宿題を早く終わらせようと、随分と夜更かし をし、濃い目に淹れたコーヒーを3杯も飲み、 ついそのままうとうとと寝入ってしまい、 深夜に一度まどろみから覚めかけたものの、 眠いのと暗いのと寒いのとで再び夢の世界へ旅立ってしまい… その結果が「これ」だった。 「はうぅ、これじゃ姉さまを笑えませんよぉ」 そこではたと恐ろしい事実に気付く。 そういえば今日は姉が里帰りしていてこの家に泊まって いるのだ。こんな失態を見られたら… コンコン 「ファナ、入るわよ?」 「うひゃあっっ!」 噂をすればなんとやら、フェリアがノックと同時に扉を開けた。 慌ててシーツに身を包ませるファナ。 「あら、起きてたの…って、ちょっとファナ…」 蔑みと哀れみの混じった視線を送るフェリア。 こうした失態に慣れていないファナは、体のみをシーツで隠し、 肝心の濡れた部分を思いっきりさらけ出してしまっていた。 「あはははは、アンタもまだおねしょ治ってないんじゃないの」 「こっ、これはたまたまですよ、いつもはもう卒業 してますっ!」 「どうかしらね〜〜〜?」 ふと、じと目でほくそ笑む姉の容姿に違和感を覚えた ファナは尋ねる。 「そういえば姉さま、なんでシーツとパジャマのズボンを 抱えてるんですか?」 ぴく、フェリアの表情が凍りつく。 「なんかぐっしょり濡れてますし、もしかして姉さまも…」 「べっ、別にアンタが寝ている隙にこっそり着せ替えよう なんて思ってなかったわよ!?」 「姉さま…」 どうしてこういう事ばかり頭が回るのか、この姉は… 「でもまさかアンタまでやらかしていたなんて…」 がっくりと崩れ落ちる姉。 その後、二人分の失態の隠滅方法を仲むつまじく相談し合う 姉妹の姿がありましたとさ。 |
![]() 解説 『檸檬汁XP』の北神的離さんから年賀状のお返しに いただいたイラストと超短編小説です。的離さんは サイト名の示す通り女の子のおもらし、おねしょを (どちらかというと着衣メイン)専門に取り扱ってる ので、かなりソフトな内容ではありますが、 僕もかなり好きな方なので、あえて番外として こっちに置いて見ました。 |